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京都タロット宙のメサージュ ®< 奇想庵

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京都タロット宙のメサージュ ®< 奇想庵

2019/11/11 01:58

たろうは、「いちひめ」の力によって、世界を覚える。たろうが「種」なら、いちひめは「水」である。水は霊力。水を与えられ種は芽吹く。水の星であるこの地上の力を象徴するのが、『壱・いちひめ』である。
しかし、いちひめもまた、たろうを必要とする。たろうが天にあって燦然と輝く「火」であるとするなら、ここでも彼女は「水」である。火の熱が伝達し水は温められ変化の力(「火水(カミ)」の霊力)となる。それは、地上にあらゆるものをもたらす最初の土壌。
いちひめの周囲には、霊獣が取り巻く。たろうの時は「音」の玉でしかなかった霊獣が、水(=いちひめ)の力を得、この世界に繰り出すことを暗示している。
古今東西の神話が語る、乳母と夫婦になる物語や、女から生まれ出た男が、再び、母である女と結ばれようとする物語は、この創造の働きを現している。何者でもなかったものが「何かでありたい。何かになりたい」と、相手を乞う。そして、二つのもの(陰と陽)は結ばれる。しかし、創造は再び「なんでもなかった」ものに戻りたいと願うようになり、何者でもないところへと還ってゆく。その繰り返しが、呼吸。生命の動き。この二つのカードは、すべてのカードの中央に据えられる。