2019/11/11 02:12
エンマのモデルは閻魔大王、あるいは大王の補佐官として裁きを手伝ったとされる小野篁である。毎夜、井戸から地獄に下り大王の仕事をし、朝には別の井戸から地上に戻ったという冥府渡りの伝説を残す人物。天秤は、人生を計る彼の道具。公平さ、正しさを冷静に見抜く中立の眼差しの象徴。剣の宮の最初のカードだが、ここでは「尺」を手に持つ。「公正な裁き」を暗喩する閻魔様の尺は、剣の役割をも同時に表現しているのだろう。尺≒剣を手に、剣の宮に入ることがここでのイニシエーション。
この世での行いを、あの世において正すことで、世界に秩序をもたらす閻魔大王。そして、冥府渡りの伝説における篁との連携がエンマの真の意味となる。篁は、人の心に溜まり念となった過去を人が眠っている間にすっぱり切り捨てさせ、新しい朝を迎えさせる。西洋タロットの「力」に位置するエンマは、単に裁く力というだけではなく、私たちが過去を「忘れる」ことの下に潜む、目には見えない偉大な力の働きをシンボライズしているのだ。
この世での行いを、あの世において正すことで、世界に秩序をもたらす閻魔大王。そして、冥府渡りの伝説における篁との連携がエンマの真の意味となる。篁は、人の心に溜まり念となった過去を人が眠っている間にすっぱり切り捨てさせ、新しい朝を迎えさせる。西洋タロットの「力」に位置するエンマは、単に裁く力というだけではなく、私たちが過去を「忘れる」ことの下に潜む、目には見えない偉大な力の働きをシンボライズしているのだ。