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京都タロット宙のメサージュ< 奇想庵

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京都タロット宙のメサージュ< 奇想庵

2019/11/11 02:14

『アダシノ』は京の化野。平安時代からの風葬の地として知られる。右端の空には、剣の宮を担当する四神の青龍でもあり、『ミカヅチ』に現れた青天の霹靂的な空とも交差する。巨大なドクロに腰掛ける童子の不安げな表情。放心とも取れる童子の顔は、親を亡くしたばかりであることを想像させる。ドクロに止まった蝶はシンボリズム的には魂。亡き親の守護を感じさせる。『胡蝶の夢』という故事のように、この世の儚さと無常観に溢れるカード。
親という大きな後ろ盾、支えを無くしたこの子の心に浮かぶ想いは何であろうか?寂しさや情けなさ、孤独。どうしていいかわからないという放心状態。しかし『アダシノ』においては、この放心、頼りのなさの中にこそ、変容の秘密が隠されている。
放心には、執着や不安、絶望が変化して現れる空虚感や、安堵と共に現れる状態などあるが、この少年の心には前者のものが現れている。ネガティブさが要因となった空虚の中に、底知れぬ可能性が秘められている。何の支えもなくなり、すべてが奪われた気がしていても、彼には彼自身の「生命」がある。その力が発動する前の、虚しさで満たされた時期に、育っているもの。